導入事例#03
丸の内・みなとみらい
ポイントアプリ開発プロジェクト

CASE STUDY

ユーザ接点に
デジタルプラットフォームを整備し、
よりユーザ体験に寄り添った
サービスコンテンツ提供を可能にする

三菱地所ITソリューションズは2019年に、三菱地所の商業施設（丸の内エリア・みなとみらいエリア）向けのポイントアプリ開発プロジェクトを開始。その狙いは、ユーザ接点にデジタルプラットフォームを整備することで新たな顧客接点獲得を通じ、販促の拡充や施設運営の改善、ひいては商業施設の魅力向上に繋がることを見据えると同時に、現行のポイントカードの課題である「入会手続きの不便さ」の解決することでした。そして2021年４月、各テナントの販促拡充、マーケティング戦略、ユーザの利便性向上を実現する、丸の内・みなとみらいポイントアプリをリリースしました。

PROJECT DETAIL

BACKGROUND

プロジェクトの背景

三菱地所では元々、当社が導入支援した、SMS（ショップマネジメントシステム）と呼ばれるシステム群を用いて、商業施設の運営業務支援を行なっていました。その中で抱えていた現行のポイントカードの課題は、「入会手続きの不便さ」。カードを作る際、ユーザがわざわざ特定の場所に出向いて自分の情報を入力あるいは記載する必要があったのです。また、ユーザのタッチポイントを増やし、コミュニケーションを行う機会を創出したいという要望もありました。そこで、入会手続きの不便さを解消し、かつ、ITの利活用による販売促進やタッチポイント創出を可能にするポイントアプリを開発することになりました。

POINT

導入のポイント

前身となるSMSの問題点は、「何か一つの機能を変更したい、調査したい」という際に、ベンダーに調整を依頼する必要があり、時間もコストもかかっていたことでした。そこで、機能改修等の必要性が出た際、当社でスピーディに対応できるよう、フルスクラッチ（既存のプログラムやソフトウェアを一切流用せず、全く新規に開発すること）することにしました。難しかったのは、本ポイントアプリシステムはそれ単一で実現できるものではないこと。例えば、ポイントアプリ上のQRコードによるポイント利用を実現するため、テナントで使う決済端末の中にフルスクラッチしたアプリを入れ込んだ「一体型端末」を導入しました。また、ポイント会員情報を管理する管理画面の再開発にあたっては、その運用を担う事務局の担当者の方々に負荷をかけないよう、ボタンの位置等ユーザインターフェースを現行システムに合わせました。

RESULT

成果

2021年４月に丸の内・みなとみらいポイントアプリをリリース。WEB入会が可能となり、２カ月も経たずに4.5万ダウンロード、会員数３万人を記録しました。また、今までできていなかったITを利活用した販売促進、タッチポイントの創出を実現。例えば、ポイント会員情報を元に、一人ひとりのユーザのニーズに即したクーポンを配布できるのもその一例です。また、ユーザが丸の内エリア・みなとみらいエリアに来てチェックインすることで、アプリ限定ポイントが溜まって、お得な特典を受け取ることができたり、手元にポイントカードがなくても、お会計時にポイントアプリのQRコードを提示するだけでポイントが付与されるなど、新たなタッチポイントを創出しています。本ポイントアプリは商業施設を対象としたものですが、今後は三菱地所が有する他のアセット（オフィス、住宅、ホテル）にも展開し、グループ間のシナジーを生み出していく予定です。

INTERVIEW

一般的なコンサルタントと異なる
下流にコミットできるポジションでの仕事

これまで三菱地所グループ内で利用されるシステム開発に携わってきた当社が初めて、三菱地所の先にいるユーザの利便性を飛躍的に向上させるシステムの開発を成功させたことで、新たにBtoCに関わるノウハウを獲得することができました。そして大規模開発の推進時にも十分な裁量を与えられるので、都度発生する課題に対して迅速な判断を行うことができました。また、面白さを感じたのは、ユーザの要望との距離がとても近いところで、システムコンサルタント的な立場でIT戦略にコミットしながら、一方でSE的な立場でものづくりに取り組むことができたこと。そうした当社のポジションは希少であり、そこに仕事の醍醐味もあります。