DX推進 メンバー座談会

Cross Talk

三菱地所グループのさらなる発展に向け
IT戦略で新しい価値を創造

DX(デジタルトランスフォーメーション) により新しい暮らしと街づくりを目指す「三菱地所デジタルビジョン」。三菱地所DX 推進部と共にグループ全体のDXを推進している三菱地所 ITソリューションズはどのようにグループの事業に貢献しているのでしょう?DX推進業務に携わる3人が語り合いました。

Profile

N.NAGAOKA

ITコンサルティング部
プロジェクトディレクター

2021年入社

A.HAYASHI

ITコンサルティング部
プロジェクトディレクター

2008年入社

H.MATSUNO

ITコンサルティング部
ITアーキテクチャー室
兼 ネットワーク・インフラ部
MEGIS推進室
プロジェクトディレクター

2000年入社

※所属、職名等は、取材当時のものです。

N.NAGAOKA

三菱地所グループの新規事業である「HOMETACT」(ホームタクト)というプロジェクトに携わっています。HOMETACTは新しいライフスタイルを創造するスマートホームサービスで、特徴としてはメーカーの枠を超えて、1つのプラットフォームに接続でき、1つのアプリで複数のメーカーのIoT機器を操作できるというものです。玄関ドアロックだけでなく、照明、給湯器、テレビ、エアコンと様々な家電・IoTデバイスをHOMETACTから操作することが可能です。HOMETACTは三菱地所の住宅業務企画部が開発と提供、運用などを行っており、私はそちらで開発マネジメントを担当しています。

H.MATSUNO

私が以前から携わっているのが三菱地所グループ全体のインフラ環境を刷新するMEGIS(メイジス/Mitsubishi Estate Group It Structure)というプロジェクトです。具体的には今までの一般的な企業ネットワークから、ゼロトラストと言われるネットワークへの刷新を行なっています。現在もインフラの刷新を進めていまして、進捗としては、主要会社の半分ぐらいが切り替え中です。あとは元々、三菱地所グループのインフラ基盤が十分に導入できていなかった住宅事業系やホテル事業系のグループ各社への導入も進めている段階で、試行錯誤を重ねつつ、整理するべき点を一つひとつ丁寧に対応しながら進めているところです。

A.HAYASHI

三菱地所DX推進部が三菱地所グループ各社の方々の業務効率化や生産性向上のための取り組みを、様々なITツールを活用しながら行なっていますが、私は三菱地所のDXの取り組みをサポートしています。三菱地所グループ各社の方々の業務生産性の向上、効率化という目的でBPR(Business Process Re-engineering)と呼んでいますが、業務の改善化をサポートしています。

A.HAYASHI

今まで私たちが提供しているソリューションとして、RPA(Robotic Process Automation)というソフトウェアがあります。例えば皆さんも普段の仕事で色々なシステムにデータを入力したり、システムを操作する機会があると思いますが、それをRPAと呼ばれる仮想ロボットが自動でやってくれるというツールがあるんですね。グループ会社の方々の業務を分析して、こういうところでRPAを使えば、皆さんの業務がもっと楽になるというご提案をして、実現するということをしています。ただ、RPAも万能ではなく、ユースケースによってRPAでは解決できない課題もあります。また、最近ではデータ可視化や生成AIに関してニーズやエンドユーザーの興味が高まってきているので、RPA以外にも様々なツールを活用しながら皆さんの課題を解決し、サービスを拡張している状況です。

H.MATSUNO

私の担当で言えば、新しいグループインフラ基盤のMEGISを導入していくことで、現場における生産性向上や多様な働き方にも貢献できていると思いますし、運用側にもメリットがあります。例えば今までは新しい拠点を作るときに専用の回線が必要で、高額な費用がかかっていましたが、導入後はスピーディーにかつ費用を抑えながら進めることができています。また、クラウド化を進めており、クラウドを利用することでコストや運用管理の負担が少なくなってきています。

A.HAYASHI

そうですね。ここ数年で働き方も変化して、それを支えるためのインフラ基盤というところもあり方が変わったのは感じます。

H.MATSUNO

大きなきっかけはコロナ禍でしたね。ネットワークが社内中心だったので過度に集中して、パンクしてしまうという問題が起きていました。それをなんとかしようということで導入が加速したことがきっかけで始まったのですが、ネットワークもクラウド化され拡張が容易になったので、リモートワークがどれだけ増えても以前のようにパンクするようなことは起きずに、皆さんがストレスを感じることなく業務に集中できます。

N.NAGAOKA

それぞれの担当領域でインフラ基盤やITの活用は当たり前のように行なわれている中で、今後も新しい技術を積極的に取り入れていくことはさらに重要になると思います。

N.NAGAOKA

私が携わっている三菱地所グループの新規事業「HOMETACT」においては、グループ会社の三菱地所レジデンスの物件には標準採用に近い形のレベルでの採用が進んでいます。エンドユーザーに対しては、HOMETACTのような新しいサービスを提供することが新しい価値提供と言えますし、開発側面では、AIや自動化という領域が新しい価値を生み出していくと考えています。

H.MATSUNO

そうですね。業態関係なくRPAとかAIは使われています。私は直接関わってはいませんが、セキュリティ面においても、ログを解析したりする時にはAIを使って効率を上げる等、どの分野においても知っておくべきところになっています。

N.NAGAOKA

例えば、AIや自動化ツールを積極的に取り入れる前と後で同じ売り上げだとしたら、AIなどにかかる経費は少ないので、取り入れた方が利益が増えることになります。積極的にAIや自動化ツールにリプレイスできるものはどんどんしていき、無駄な費用をかけていかないということもMJITができるグループへの貢献の仕方だと思います。

H.MATSUNO

究極的には人が担う実務はなくなっていき、1人1人が管理者みたいな形になるのでしょうか。

A.HAYASHI

究極はそういう未来像もあると思いますが、今はまだそこに向かっている途中段階だと思います。NAGAOKAさんがおっしゃったように、今まで人がやっていたような単純作業を極力オートメーション化して、人はより頭脳を使う側にシフトしていって、新しいビジネスを生み出す方に人のリソースをかけていきましょうというコンセプトで私たちは普段仕事をしています。

N.NAGAOKA

収益化という観点でいうと、「HOMETACT」など新規事業の規模も着実に拡大して行くと思います。新規事業は新しいサービスであるため、求められる能力もこれまでMJITが守備範囲としていた業務にとどまりません。MJITとして新規事業により貢献していくには、新規事業に求められる能力にマッチした人材を増やしていくということが一番のポイントで、そういう人材が増えれば、事業や案件を支えながらリードしていく立場になる可能性はどんどん広がっていくと思います。


H.MATSUNO

ビルのネットワークを繋ぎ、それが発展していって街になるという考えからすると、街づくりの基本といえるビルづくりの土台を支えていると思います。他にはスマートシティなどに携わっている人もいますね。

N.NAGAOKA

「HOMETACT」プロジェクト自体が住宅の一部の機能を取り扱うという内容なので、直接的ではないかもしれませんが、街の中に住宅があって、住宅の中の一部の機能を提供しているという意味では街づくりに貢献しているのではないかと思います。

A.HAYASHI

ここにいるメンバーが直接的に携わっているわけではありませんが、先ほど話に挙がったスマートシティの案件があります。例えば大丸有エリアでロボットを走行し、商品販売の実証実験を行うなどの取り組みを、三菱地所や行政と一体となって行ったりとか、丸の内にもっと人を呼び込むために各ビルに集まる人たちの動線や属性情報などのデータを、ITツールを利活用して集めるなど、どういう仕掛けや仕組みを作ったらいいかを検討するといったことにも関われます。


A.HAYASHI

将来性という意味でいうと可能性は無限で、ポテンシャルが高いと思っています。三菱地所に対して、一般的に不動産業というイメージがあるとは思いますが、ビル開発などの不動産事業はもちろんのこと、NAGAOKAさんがサポートしているような住宅事業の領域もありますし、ホテルや空港など三菱地所という中にも様々な事業があります。それぞれの事業において、DXやITは切り離せないものですから、そういう意味でいうと、私たちがサポートする分野も、すごく幅広くなりますし、これからも多様な事業が立ち上がっていくということを見据えると、無限に広がると思います。

H.MATSUNO

そうですね。三菱地所が事業を幅広く展開したり、新しい事業を始めるという時にも、ITやDXは切っても切れない関係になってきています。様々な分野でMJITが活躍できる、携わっていくところが増えていくと思います。今までのシステム開発という分野以外でもITが絡む機会が増えていっていますし、さらに多くの関わり方をしながら、ITに興味がある人以外でもやれるものが増えてくるのではないかなと思います。私としては今までネットワークやサーバーの領域を担当していましたが、クラウド化が進む中でAIを使う業務は増えていくと思いますので、それらをマネジメントする方にシフトしていくことも重要かと思います。管理機能としてしっかりとした検討も必要だと感じています。

N.NAGAOKA

業務の広がりという話でいえば、HAYASHIさんがおっしゃった通りで、あとはAIなどの事業への適用という面でいうと、不動産業界は腰が重いのではないかと思われがちですが、実は先進的な部分もあって、収益の拡大に繋がるような新しい技術やアイデアをどんどん積極的に取り入れてみようというスタンスや雰囲気はあると思っています。新しい技術や新しいサービスに興味のある人にとっては非常に多くのことを経験できるような会社だと思います。