DX推進メンバー座談会

Cross Talk

三菱地所グループ全体のDXを推進し、
さらなる事業効率化、新たな付加価値創造の実現へ。

三菱地所 DX推進部は、三菱地所グループ全体で組織された、グループ内の各事業に蓄積されたデータを事業横断的に活用するとともに、グループ全体のDXを推進するという重責を担う組織。 そんな中、三菱地所ITソリューションズは、グループ内のITプロフェッショナルとしてどのような役割を担い、具体的にどのような取り組みを行なっているのか。DX推進部のプロジェクトに参画する3人のメンバーが語り合いました。

Profile

H.TOMIMORI

ITコンサルティング部
プロジェクトディレクター

2020年入社

S.OGAWARA

ITコンサルティング部
コンサルチーム(データ活用担当)

2021年入社

H.GOTO

ITコンサルティング部
開発推進室

2020年入社


S.OGAWARA

三菱地所グループ内の各事業でデジタル化が進んでいる中で蓄積された様々なデータを、事業横断的に活用することで、事業効率化や新たな付加価値創造を行うこと。そして、三菱地所の方々と共に、三菱地所グループ全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていくことが、私たち三菱地所ITソリューションズのメンバーのミッションです。

H.TOMIMORI

そうですね。DX推進部のデジタル技術活用のテーマは、「①新たな収益源の獲得」「②既存業務プロセスのブラッシュアップによる収益拡大・生産性向上」「③グループ共通IT基盤の整備・グループITガバナンス」の3つ。具体的には、①では三菱地所グループのデータ利活用の案件企画・マーケティング施策支援、②では三菱地所グループのプロセスイノベーション(RPA)を通じて、業務削減効果年間3万時間の拡大・維持の対応、③ではデータ利活用環境整備および、係るITガバナンス策定の取り組みを行なっています。私はその3つのテーマにそれぞれ接点を持っていて、メンバーの中でも業務範囲が広い方ですね。

S.OGAWARA

私は今、システムごとに蓄積されていたデータを横断的に連携・可視化することによって、今まで気づけなかったデータの傾向や関連性を見出す仕組みづくりに、企画段階から取り組んでいます。例えば、事業担当の方がこれまでエクセルで苦労して情報を取得していたものを、画面ですぐに見られる形にするといったこともその一環です。

H.GOTO

私はDX推進部にデータサイエンティストとして関わっています。これまで進めてきたプロジェクトは、不動産資産の価値を予測するものや、見積の積算根拠を予測するものです。一方で、弊社内では三菱地所グループ全体で目指している「データドリブン経営」に求められる人財を育成する取り組みも行っています。具体的には、イノベーティブな事業開発スキルを身に付けるためのビジネスデザインやデータ分析スキル、素早くシステムを開発するためのスキルに関する教育を進めながら、スマホ向けのイベントアプリやサービス開発に取り組んでいます。


H.TOMIMORI

三菱地所ITソリューションズのメンバーにとって追い風になっているのは、三菱地所が、DXにより生活者がより暮らしやすくするようなまちづくりを目指す、「三菱地所デジタルビジョン」を策定したこと。そうした中で私たちがDX推進部で活動するにあたっての方向性がより明確になりました。

S.OGAWARA

その通りですね。三菱地所のDX推進部のメンバーとの協業もすごくやりやすくなりましたし、自分たちが関わっているプロジェクトもそのゴールに近づけていくためのものなのだと改めて実感できました。そんな中、三菱地所のメンバーと三菱地所ITソリューションズのメンバーで一緒に立ち上げたのが、データスチュワード体制です。例えば、ビル事業部門が空きテナントに、ある企業を誘致したいと考えた時、その企業が三菱地所グループ内の事業とどのような繋がりを持っているのか把握できれば、それらと紐付けて効果的に営業を展開することができます。スチュワードの役割は、そうしたことを実現するためにどのデータとどのデータを繋ぐか、というレシピを考えてあげること。「データスチュワード体制」をつくったことで、データ活用をより推し進めることができるようになりました。

H.TOMIMORI

事業横断的にデータを繋げられる仕組みづくりと、その仕組みを活用するためのコーディネーターですよね。例えば、ビルにどういうテナント企業を誘致すれば最も収益が高まるかを考える時、ビル周辺の人の流れ、一般の消費者の動向などを考慮し、街にとって良い状態にするにはどうするかという観点が重要になる。そうした際、グループ内の様々なデータを有する関係部署、アプリを有する部署などを繋いで、コミュニケーションを円滑化して問題解決していくのがスチュワードの役割です。そこは、仕組みだけでは全部カバーできず、人間がカバーしなければならないところですね。

H.GOTO

「三菱地所デジタルビジョン」で必要になるための人財を教育していくことは、私の重要なミッションの一つ。そのため今、できるだけ実践的なビジネス開発に携わってもらいながら、若手を教育するという流れをつくっています。その一例として、「三菱地所デジタルビジョン」の一環で開発された 共通認証ID「Machi Pass」(※)を活用したビジネスの開発を行なっています。
(※)Machi Pass:街で展開される複数のオンラインの体験を一つのIDで利用可能とするもので、すでに丸の内エリアのオフィスワーカー向けWebサービス「update! MARUNOUCHI for workers」等で利用が開始されている。


H.TOMIMORI

この1年で強く感じるのは、DX推進部の中で三菱地所ITソリューションズのメンバーの存在価値が高まっていることです。例えば、三菱地所が、私たち三菱地所ITソリューションズが動きやすいよう来季の予算策定を行い、そのまま任せてくれたり。「三菱地所デジタルビジョン」実現をスピードアップするために、三菱地所ITソリューションズと一緒に進めていこうという強い意志を感じます。

S.OGAWARA

三菱地所ITソリューションズはDX推進部が掲げるDXの一番の理解者であり、三菱地所グループ全体のシステムを把握している立場。いわば懐刀としての価値を改めて強く認識していただいたということだと思います。私としては、三菱地所と対等な立場で、自らの強みを発揮しながら、スチュワード体制づくりをはじめ、様々なプロジェクトを進めていくことができ、それが仕事の醍醐味になっています。

H.TOMIMORI

当社は以前、システム開発の企画や要件定義を外部のコンサル会社に委託していましたが、今はそのコンサル部分を三菱地所ITソリューションズ自身が行うという流れが加速。私たちの守備範囲は開発〜運用だけでなく、企画や要件定義まで格段に広がっています。そうした中で私たち三菱地所ITソリューションズがやるべきことは無限にある。しかも、領域が広がっているだけでなく、新たなデジタルのチャレンジもどんどん出てきていて……。しかし、マンパワー不足で追いついていません。ジグゾーパズルに例えると、空いているところがたくさんあるんです。こんなにチャレンジングな状況はないというくらいです(笑)。

H.GOTO

私は、若手の教育の一環として、ディープラーニングを活用したものづくりというチャレンジングな取り組みを行なっています。例えば、商業施設に設置されている検針メータを自動で読み取る実証実験を行なっているのもその一例です。その中でも現在は、検針時に撮影する写真の品質を向上させるために、レンズファインダーを3Dプリンターで設計・製作し検証しようとしているところです。こうした取り組みを通して、データからインサイトを見つけ、ビジネス開発をしていく方法を、みんなに教えようと頑張っています。


H.TOMIMORI

今後、DX推進部で成し遂げたいのは、お客様がリアルな街に来訪したくなる経験を得られるようにしていくことと、一方で自宅でも同じような体験が得られるようなものを提供していくことです。先ほど、後藤さんがあげた、共通認証ID「Machi Pass」はその一つですけど。何らかの決済をする際、いちいちスマホを出さなくていいとか、さらに、「今日のあなたへのおすすめはこれです」とレコメンドが入ってきて、空いているテナントにうまくマッチングさせるとか……そんなイメージです。

S.OGAWARA

それって夢物語ではないんですよね。

H.TOMIMORI

そう。壁になっているのは技術的なことではなくて、社会的なルールの部分。それさえクリアできれば実現できます。

S.OGAWARA

そうしたエンドユーザー視点ではなく、私たちも含めて、三菱地所グループで働いている人たち視点でいえば、ビジネスプロセスイノベーションをさらに進めていきたいですね。そうすることで従業員みんなが自動化されるもの以外の付加価値創造に関わる業務に集中できるような環境を提供できると思っています。結果的に、一人当たりの生産性が大きく向上するはず。そこを担っているのが、三菱地所ITソリューションズなのだという自負を持って、様々なプロジェクトを進めていきたいと思っています。

H.GOTO

実は来週、グーグルグラス(メガネタイプのウェアラブル端末)が届くんですけど。それに絡めて、リアル空間とバーチャル空間の接点__例えば、街を散歩すると、赤穂浪士が通った道が見えるとか__でエンドユーザーに喜んでもらえるようなものをつくったり、エンドユーザー向けのインセンティブを利用した囲い込み戦略を実装したり……。この辺りのことを意識しながら、実践的に未来のビジネスをつくっていけたらと考えています。

H.TOMIMORI

三菱地所ITソリューションズはDX推進に向けてやりたいことが実現できる環境であるのは間違いありません。これから入社される皆さんにはぜひ、いろんな企画を提案してほしいですね。

S.OGAWARA

三菱地所グループという大きなフィールドで、お客様視点に立った活動ができるのが、三菱地所ITソリューションズの魅力。ユーザーと一緒につくり上げていく喜びを共に味わいましょう。

H.GOTO

不動産業界の中で新しいことにチャレンジしたい人であれば、誰でも参画できます。興味がある方はどなたでもぜひ!

H.TOMIMORI

その通り。何かものをつくって事業を推進していくという気持ちがあれば、プログラムがわからなくてもできます。問われるのは志だけです。